ヤーコプ・カッツ Jacob Cats

Jacob Cats by Michiel Jansz van Mierevelt

Michiel Jansz. van Mierevelt (1634) In Wikimedia Commons

  • 詩人、人文主義者、政治家、法律顧問 Raadpensionaris(1629-1631/1636-1651)
  • 生年: 1577/11/10 ブロウワースハーフェン(蘭)
  • 没年/埋葬地: 1660/9/12 ハーグ(蘭)/クローステル教会

生涯

表舞台に現れたのは比較的遅く、レイデンやオルレアンで法律を学んだあと、40代までは弁護士としてゼーラントで過ごしていました。1621年にミデルブルフ、1627年にはドルトレヒトの法律顧問となり、1629年~31年と1636年~1651年の二度、アドリアーン・パウと入れ違いでホラント州の法律顧問となります。

著作活動は1618年頃からはじめており、寓意画集などを著しています。同時代の詩人、ホーフトやフォンデルとは政治的・宗教的見識を異にしたため、志向の近いコンスタンテイン・ホイヘンスと親交を深めました。

ところでホイヘンスはオランイェ公フレデリク=ヘンドリクの秘書官でしたが、カッツも同様に親オランイェ派で、「猫(カッツ)ではなく、フレデリク=ヘンドリクの犬」と揶揄されるほどでした。政治家として有能というよりは、フレデリク=ヘンドリクにとって、パウに比べて御しやすい法律顧問だったというのが正直なところのようです。ウィレム二世が急死し第一次無州総督時代が始まった1651年に官職を退き、のちは詩作などで過ごしました。実際、現代のオランダでも人気のある偉人のひとりではありますが、政治家としてではなく、文学者として人気なようです。

なお、カッツが1652年に経てた邸宅は、今も「カッツハイス」と呼ばれ、オランダ首相官邸として使われています。

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