オランダにとっては、領土こそ接していないものの、お隣といって良い家系。ナッサウ家もですが、いかにも当時のドイツ貴族的な人々です。
ハインリヒ=ユリウス・フォン・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル Heinrich Julius von Braunschweig-Wolfenbüttel
- ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公、ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル侯 Herzog zu Braunschweig und Lüneburg und Fürst von Braunschweig-Wolfenbüttel
- 生年: 1564/10/15 ヘッセン城(独)
- 没年: 1613/7/20 プラハ(チェコ)
生涯
二度目の結婚で、デンマーク王女エリーザベト(国王クリスチャン四世の姉)と結婚しています。父の時代にブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテルはルター派に改宗。都市ブラウンシュヴァイクとはそのときから抗争が続くようになります。法学、文学、建築などに才能を示し、神聖ローマ皇帝ルドルフ二世とは、宗派を越えて懇意にしていました。しかし、浪費癖と酒乱がひどく、死因も酒のせいといわれています。
オランダに関するちょっとしたエピソードがあります。1592年、同世代のナッサウ伯たちの攻囲戦を見学にきたハインリヒ=ユリウスは、感激のあまり、ぜひナッサウ伯の誰かひとりを婿にして、親戚づきあいをしたいと申し出ました。が、この時点でハインリヒ=ユリウスの娘は、つい数ヶ月前に産まれたばかりのゾフィー=ヘートヴィヒのみ。その時点ではナッサウ伯たちは誰も冗談だと思って取り合わなかったのですが、ハインリヒ=ユリウスは1605年、ナッサウ伯エルンスト=カシミールを自国に援軍として招聘し、そのまま娘との婚姻関係を結ばせることに成功しています。
リファレンス
- エヴァンズ(中野春夫 訳)『魔術の帝国 ルドルフ二世とその世界』上、ちくま学芸文庫、2006年
- ヒュー トレヴァー=ローパー『ハプスブルク家と芸術家たち』 、朝日新聞社、1995年
- ヒュー トレヴァー=ローパー『絵画の略奪』 、白水社、1985年
- “NDB“
フリードリヒ=ウルリヒ・フォン・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル Friedrich Ulrich von Braunschweig-Wolfenbüttel
- ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公、ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル侯 Herzog zu Braunschweig und Lüneburg und Fürst von Braunschweig-Wolfenbüttel
- 生年: 1591/4/5 ヴォルフェンビュッテル(独)
- 没年: 1634/8/11 ブラウンシュヴァイク(独)
生涯
ハインリヒ=ユリウスの長男。中世から数百年間、都市ブラウンシュヴァイクとブラウンシュヴァイク公の間には緊張がありましたが、フリードリヒ=ウルリヒが父の死後21歳の若さで侯位を継ぐと、すぐに都市ブラウンシュヴァイクと抗争が持ち上がります。オランダからもその鎮圧にナッサウ伯フレデリク=ヘンドリクが派遣されています。このことから為政者として適当でないとされ、母と叔父のデンマーク国王クリスチャン四世に一度は廃されてしまいます。
1622年に支配権を回復するものの、今度は三十年戦争の中での立ち回りに失敗し、領土の荒廃を招きました。1634年に嗣子なく死去したため、ヴォルフェンビュッテルとカレンベルクはそれぞれリューネベルク公アウグスト二世とリューネベルク公ゲオルクに分割相続されました。
リファレンス
ゾフィー=ヘートヴィヒ・フォン・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル Sophie Hedwig von Braunschweig-Wolfenbüttel
- ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル侯女、ナッサウ=ディーツ伯妃
- 生年: 1592/6/13 ヴォルフェンビュッテル(独)
- 没年: 1642/1/23 アルンヘム(蘭)
生涯
ハインリヒ=ユリウスの次女。個別記事へ → ゾフィー=ヘートヴィヒ・フォン・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル
クリスティアン・フォン・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル Christian von Braunschweig-Wolfenbüttel
- ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公、ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル侯 Herzog zu Braunschweig und Lüneburg und Fürst von Braunschweig-Wolfenbüttel
- 生年: 1599/9/20 グレーニンゲン(独)
- 没年: 1626/6/16 ヴォルフェンビュッテル(独)
生涯
ハインリヒ=ユリウスの三男。個別記事へ → クリスティアン・フォン・ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル