オランダについて

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フェルメール (1660-61) デルフト眺望 In Wikimedia Commons

「オランダ」という国名について

日本語での「オランダ」の表記は、16世紀当時の低地諸州でもっとも有力な州だったホラント州(Holland)の名に由来しています。戦国時代にポルトガル人が伝えたのが始まりです。ポルトガル語では「H」を発音しないため、「Hollanda」=「オランダ」となりました。

英語では「The Netherlands」、仏語では「Pays-Bas」、そして蘭語では「Der Nederlanden」が正式な名称ですが、これはいずれも複数形で、直訳すると「低地諸州」です。現在のほぼオランダ・ベルギーに相当する地域がこの名称で呼ばれていました。この地域は海抜以下の地形も多く、見たままの地名で呼ばれていたわけです。

このウェブサイトでは「オランダ」あるいは「ネーデルランド北部七州」と表記したときは、現在のオランダとほぼ同じ地域を指します。「ネーデルランド全十七州」と表記した場合、現在のベルギーおよびルクセンブルクも含みます。

オランダ語について

Dutch alphabet (1560)

1560年のオランダ語アルファベット In Wikimedia Commons

オランダの公用語は、ゲルマン系のオランダ語です。低地ドイツ語と近い言葉です。ドイツ語に堪能な人であれば、書き言葉はある程度理解できますので、旅行(駅の表示など)はあまり困らないと思います。

但し、半母音が多く、発音は非常に難しいです。そのため地名や人名の日本語表記も困難です。(こちらは「オランダ地名のカナ表記」にて詳述します)。

オランダのビジネスマンは当たり前のように英語を話しますので、一般的なビジネスの相手としては外国人がオランダ語を習得する必要は実はあまりありません。通常の観光旅行でも、外国人(とくに我々のように見た目でそれとわかる東洋人)に対してはほぼ確実に英語で話してくれます。

そのため、オランダ語の学習人口もあまり多くありません。日本国内では、講座を開設している教室の数も(以前よりも増えたとはいえ)限られています。自習環境は比較的充実していて、最近は市販のテキストもたくさんあるので、とりあえず「読む」だけなら教室に通わなくてもなんとかなります。日本語辞書も講談社から出ています。

オランダの人名・地名・歴史用語について

オランダの人名・地名に関しては従来あまり統一がはかられてきませんでした。このウェブサイトでは、

のとおりに表記を統一しています。詳細は各ページを参照してください。

リファレンス

  • 外務省公式HP 「オランダ王国 基礎データ
  • 佐藤弘幸『図説 オランダの歴史』、河出書房新社、2012年
  • 桜田三津夫『物語 オランダの歴史』、中公新書、2017年
  • 森田安一編『スイス・ベネルクス史(世界各国史)』、山川出版社、1998年
  • 川口博『身分制国家とネーデルランドの反乱』、彩流社、1995年
  • 栗原福也「十六・十七世紀の西ヨーロッパ諸国 二 ネーデルラント連邦共和国」『岩波講座 世界歴史(旧版)<15>近代2』、岩波書店、1969年