エリザベス一世 Elizabeth I of England

George Gower Elizabeth I Armada Variant

After George Gower (after 1588) The “Armada Portrait” In Wikimedia Commons

  • イングランドおよびアイルランド女王 Queen of England, Queen of Ireland
  • 生年: 1533/9/7 グリニッジ宮殿(英)
  • 没年: 1603/3/24 リッチモンド宮殿(英)

生涯

スペイン国王フェリペ二世を廃するとしたオランダでは、常にその代わりとなる君主を探しており、エリザベスには早い時期から白羽の矢が立っていました。それを断り続けたのは、彼女がたくさんの求婚者を断り続けたのと同様、対外的な理由、とくにスペインとの全面対決を避けるという理由が第一であるといえるでしょう。しかしオランダではフランス王弟アンジュー公の擁立に失敗し、その後指導者オランイェ公ウィレムがスペインの刺客に暗殺され、エリザベスも暗殺の脅威を自覚するようになりました。最終的に、自らが主権を担うのではなく、レスター伯を代理としてオランダへ派遣することを決定したのは、彼女の精一杯の妥協ともいえます。レスター伯はほどなく失脚して帰国しますが、その後もオランダには兵を貸し続け、オランダが地歩を固める1590年代の大きな助けとなりました。貸主としては当然のこととしてオランダの軍事情勢には興味を持っており、1600年のニーウポールトの勝利に際しては、その第一報にあきたらず、即座にオランダ大使を呼んで詳細を話すよう命じたといいます。

* 各国元首その他オランダ以外を主要な活躍の場としている人物については、サイトの主旨上、オランダと直接関わった事項または八十年戦争(三十年戦争)期間中の行動について記載しています。そのため逆に、その人物の大まかな伝記ではあまり出てこないエピソードがメインになることもあるかもしれません。

リファレンス

  • 青木道彦 『エリザベス一世―大英帝国の幕あけ』、講談社、2000年
  • 石井美樹子『エリザベス―華麗なる孤独』、中央公論新社、2009年