- レガネス侯 Marqués de Leganés、大貴族 Grande、ミラノ総督 Gobernador de Milán、カタルーニャ副王 Virrey de Cataluña
- 生年: 1580(西?)
- 没年: 1655 ミラノ(伊)
生涯
オリバーレス公伯爵の母方の従兄。南ネーデルランド執政アルプレヒトのもと、1600年頃から20年以上フランドル軍で従軍し、三十年戦争がはじまると、スピノラ将軍に従いプファルツ遠征、クレーフェ攻囲戦、ブレダ攻囲戦などで活躍しました。(「ブレダの開城」参照)。ちょうどアルプレヒトの亡くなった時期と、従弟オリバーレスがフェリペ四世の「寵臣」となったのが同時期だったため、本国でも力を持つようになり、1627年にレガネス侯を興しています。同年いったんフランドルから呼び戻され、スピノラ将軍の長女ポリセーナと結婚したうえで、スピノラとともにラ・ロシェル攻囲戦、マントヴァ継承戦争に参加しました。
スピノラの死後、フランス戦線、イタリア戦線、カタルーニャ戦線を転戦しました。「大貴族」、ミラノ総督、カタルーニャ副王など、要職にも就きました。ロクロワの戦いでの敗戦(1643年)、オリバーレスの失脚(1645年)などスペイン斜陽の時代にも、カタルーニャの反乱には成果を挙げていました。ウェストファリア条約後にカタルーニャ副王を辞任し、晩年はミラノで過ごしています。
ここに挙げたヴァン・ダイクの絵画、実は日本で観ることができます。しかも、国立西洋美術館の常設展示品ですので、いつでも観られます! ネルトリンゲンの戦いの戦勝記念に描かれたもののようです。
作品詳細「レガネース侯爵ディエゴ・フェリーペ・デ・グスマン」 国立西洋美術館公式ホームページ
リファレンス
記事中に挙げた参考URL以外については以下のとおり。
- 色摩力夫『黄昏のスペイン帝国―オリバーレスとリシュリュー』、中央公論社、1986年
- J.H. エリオット(藤田一成 訳)『リシュリューとオリバーレス―17世紀ヨーロッパの抗争』、岩波書店、1988年